耐震化に関する法律や支援制度、税制・優遇制度等には、どのようなものがあるのですか。
○耐震化に関する法律
旧耐震基準で作られた建築物の耐震改修の促進を目的とする「建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)」があります。マンションに関連する部分の概要は以下のとおりです。
(1)建築物の耐震化の促進のための規制措置
① 都道府県又は市町村が指定する緊急輸送道路等の避難路沿道建築物(マンションを含む。)の所有者に対して、耐震診断を行い、その結果を所管行政庁に報告する義務が課せられています。ご自分のマンションが面する道路が緊急輸送道路等に該当するかどうかは、都道府県や市区町村の耐震改修促進計画に記載されており、ホームページ等で公表されています。
② すべての旧耐震基準の建築物(マンションを含む。)の所有者に対し、耐震診断を行い、必要に応じて、耐震改修を行うよう努める努力義務が課せられています。
③ 所管行政庁は、すべての既存耐震不適格建築物に対して指導・助言等を行います。
④ 所管行政庁は、①で報告された耐震診断結果を公表します。
(2)建築物の耐震化の円滑な促進のための措置
① 耐震改修計画の認定
耐震改修をしようとする者は、耐震改修計画を作成し、所管行政庁に申請することにより、特定行政庁の認定を受けることができます。なお、一部の所管行政庁では、耐震改修工事を段階的に実施しても同認定を受けることができる場合があるようです。詳しくは、所管行政庁にお問い合わせください。
竣工後建設地の建ぺい率や容積率の規制が見直しされ既存不適格となってしまったマンションで建築確認の申請が必要な大規模の修繕等を行おうとする場合、申請時点の建築基準法等にすべて適合させなければならず、実質上、耐震改修を行うことができなくなりますが、上記の認定を受けると、耐震関係規定以外の基準には適合していなくてもよい(改修工事後も既存不適格建築物として取り扱う)とする特例が設けられています。
また、耐震改修を行うことにより建ぺい率や容積率の制限を超えてしまう場合も、やむを得ないと認められる場合は、建築確認の申請を可能とする特例が適用されます。
② 区分所有建築物の耐震改修の必要性に係る認定
耐震診断が行われた区分所有建築物(マンション)の所有者は、所管行政庁に対し、耐震改修を行う必要がある旨の認定を申請し、特定行政庁の認定を受けることができます。
共用部分の著しい変更は区分所有法では3/4以上の多数による集会の決議を要することと規定されていますが、この認定を受けたマンションについて大規模な耐震改修を行おうとする場合は過半数で決議できる緩和が適用されます。
③ 耐震性に係る表示制度(任意)
建築物の所有者は、所管行政庁に対し、地震に対する安全性に係る基準に適合している旨の認定の申請することにより、特定行政庁の認定を受けることができます。
この認定を受けた建築物については、その旨を表示することができます。
耐震改修促進法については、国土交通省のホームページ
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html
をご覧ください。
○支援制度、税制・優遇制度等に関する情報
国土交通省は、耐震診断・耐震改修を円滑に進めるための情報提供等の総合的な支援を実施する耐震改修支援センターとして、一般財団法人日本建築防災協会(電話03-5512- 6451)を指定しています。
耐震化に関する支援制度、税制・優遇制度等の情報は、日本建築防災協会のホームページ
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/
をご覧下さい。
また、一定の耐震改修工事を行った場合、次のような所得税と固定資産税の特例措置が講じられています。
(1) 改修後居住を開始した年の所得税額が一定額控除されます。
(2) 工事完了年の翌年度分の家屋に係る固定資産税が減額されます。
詳しくは、国土交通省のホームページ
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000025.html
を参照ください。
独立行政法人住宅金融支援機構では、マンションの共用部分のリフォーム工事費用の融資を行っていますが、耐震改修促進法に定める耐震改修計画の認定を受けるなどの一定の基準を満たした耐震改修工事については、融資金利が引き下げられます。さらに、同融資に係る当センターの保証料も引き下げられます。
詳しくは、住宅金融支援機構のホームページ
http://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/mansionreform/index.html
を参照ください。